セメントと民営刑務所の町・美祢の今:長州の旅・萩秋吉編⑥
秋芳洞のバスターミナルからはJR美祢駅に出て、厚狭でJR美祢線から山陽線に乗り換え、下関に向かう予定を立てていました。
美祢駅に行くには、日中1時間に1本出ているあんもないと号を使います。あんもないと号は地元の船木鉄道による船鉄バスが運行していますが、あいにく数分違いで乗り過ごしてしまい、バスターミナル周辺で時間をつぶして過ごすことになりました。
しかし、バスターミナル周辺はどこもシャッターが下りている状態です。バスの利用客もほとんどいません。オフシーズンの平日というためでしょうか。
バスターミナルには新聞が置いてあるソファがありましたので、ここでまったり過ごすことにしました。
サカナくんも来ていたようです。
秋芳洞を舞台としたアニメ「機動戦士ガンダム・水星の魔女」が2022~2023年にかけて放送されていました。バスターミナルのポスターがかかっていました。
ようやくバスが来ました。美祢駅までは20分ほどでしたが、バス代は200円と格安。ただし、やまぐちセントラルパスは使えませんでした。
美祢駅に到着しました。
美祢市は山口県のほぼ中央部に位置しています。過疎化が進んでおり、平成の大合併直後に約28,600人だった人口は2万強にまで減少しています。
かつては、大峰炭田の無煙炭、石灰石の産出などで工業都市として賑わいを見せましたが、大嶺炭鉱が閉山した後には衰退する一途となっています。
市域は日本ジオパークであるMine秋吉台ジオパークとなっています。観光は一大産業になっていますが、過疎化に歯止めがかかっていません。
駅には「MineMine賑わいステーション」がありますが、とても賑わっているようには見えません。
こうした中、美祢市では工業団地の整備により企業誘致に力を入れてきましたが、一社も進出して来なかったため、刑務所の誘致に方針転換。2007年には日本初のPFT方式(民間資金活用による社会資本整備)による美祢社会復帰促進センターが開所しました。受付、見張り、巡回、教育、清掃、給食の業務を民間(セコムが母体となって特定目的会社を設立しています)が担当する半民営刑務所の事例として注目されています。
(出所)美祢社会復帰促進センターホームページ
刑務所といえば、かつては原発や廃棄物処分場、ゴミ処理場、子供遊び場などとともにNINBY(Ǹot In My BackYard:私の家の裏には御免)の象徴でした。実際に誘致に当たっては美祢市でも反対運動が予定地周辺では起こっていたようです。しかし、刑務所職員の居住に伴う人口増・消費拡大や、刑務作業による下請け先を地元企業が確保できることなどの利便性もあり、近年では過疎地による誘致施設として脚光を浴びているそうです(美祢社会復帰促進センターもかなりの応募倍率の中から選定されたそうです)。
また、サンフランシスコのアルカトラズ島、日本の網走刑務所のように観光資源となっているところもあります。秋芳洞周辺の寂れ具合をみると、ユニークな刑務所を観光資源として使えないか、興味がわくところです。
ただし、現状は過疎化ペースに追いつけず、町の衰退が進んでいるようです。
アルカトラズ刑務所を訪問:2022年末ワンワールド世界一周記(25) - あちこち旅日記
今回、時間があれば見に行ってみたかったのですが、時間がなく断念しました。いつかは見に行ってみたいものです(収容されるのは御免ですが)。
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