あちこち旅日記

乗り物好きの旅行日記。コスパのよい贅沢な旅がモットー。飛行機、鉄道の搭乗乗車体験記やグルメ情報をご紹介します。

香港ディズニーランドに学ぶ外国人へのホスピタリティ

 政府の後押しもあり、外国人観光客の誘致(インバウンド・ツーリズム)の成果が出てきています。新型コロナ禍のために過去3年間は外国人観光客数は大きく落ち込んでしまいましたが、円安もあり来年以降は再び爆買いが盛り上がりを見せそうです。


 その際の課題として常に指摘されるのが、公共交通機関の不足とともに外国語対応の少なさです。キャッシュレス決済やWifiのアクセス環境なども含めて、徐々に改善が進んでいるものの、都市部と地方部で格差が大きい項目として指摘されています。



 Wifiやキャッシュレス決済などの問題は少しのお金さえかければ、すぐに解決できるものです。しかし、公共交通機関や外国語の問題は簡単ではありません。公共交通機関の問題は先週報告したので、今回は外国語の問題について述べたいと思います。


 もっとも、「日本人の語学レベルを上げろ」というのは簡単ですが、何の解決策を示してません。本日は「外国人の立場になって考えてみましょう」ということを申し上げたいと思います。


 その意味で、ディズニーランドを例に挙げたいと思います。皆さまは東京ディズニーランドや大阪のUSJを外国人が楽しめていると思いますか。私は、外国人に大変気の毒な状況にあると思っています。なぜなら、外国語が全く通じないためです。そんなことはない。外国語の標識があるじゃないか、と言われるかもしれません。私が申し上げたいのは、こういったレベルのものではありません。テーマパークや交通機関で外国語標識やアナウンスがあるのはごく当然です。問題は、ショーが全て日本語でしか行われていないことにあります。USJ名物のおばちゃんによるターミネーターの前セツも、通訳入れたら面白さが伝わりません。



 私は香港ディズニーランドに2度ほど行ったことがありますが、ジャングルクルーズは、広東語、英語、北京語の3か国のコースがあり、それぞれ乗り場が分かれていました。頻度はそれぞれ2:1:1くらいだったと思います。また、ライオンキングやスティッチなどのショーも英語で行われていました(英語の回でも、動物たちが一部広東語使っていたのはご愛嬌です)。


 私はアメリカのテーマパークにも妻と行ったことがありますが、英語が苦手な妻に「内容わかるの」と聞いたら「わからないけど雰囲気を楽しめるからいい」とのことでした。日本のテーマパークはアジアの方たちに人気になっていると聞いたことがありますが、おそらく同じような感想をアジアの方は持っているのではと思います。


 香港ディズニーランドは、敷地面積が狭く、「イッツ・ア・スモールワールド」と陰口をたたかれながら、こういったきめ細かな配慮が行き届いています。日本に来たら日本語理解しろなどというのは、「おもてなし」の精神にそぐわない傲慢な考え以上の何もでもありません。それができる国はアメリカくらいしかありません。残念ながら貧しい国が豊かで強大な国の言葉でもてなすのは世界の常識です。


  このままならば、東京ディズニーランドは香港ディズニーランドに、USJはシンガポールのUSSとの競争力を失うばかりか、日本も「ただ安いだけで不親切な国」との印象を持たれてしまうことになるでしょう。テーマパークのキャストにもっと外国人を採用するのが、日本人の語学力アップよりも簡単なことは言うまでもありません。韓国では1988年に日本語か英語のできる模範タクシーを導入しましたが、今ではソウルの一般タクシーのほとんどがフリーの通訳電話を搭載しています。


  そんな暇と金があれば高齢者や障害者向けのサービスを充実せよという意見の方もいるかもしれません。しかし、本気で稼ぐ方法を考えていかないと我々は今後一層増える社会保障の費用を用意することができません。もう我々はかつての日本ではないのです。


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