あちこち旅日記

乗り物好きの旅行日記。コスパのよい贅沢な旅がモットー。飛行機、鉄道の搭乗乗車体験記やグルメ情報をご紹介します。

お弁当づくりの修行しています:働くママさんの苦労を実感しました


 妻が急病で入院してしまい、先週から息子のお弁当づくりしています。本人は外食で構わないと言っているので任せておいたのですが、昼休みの時間が短く混雑もすごいので、毎日のようにコンビニのおにぎりかサンドイッチで済ませていたようで、みかねて先週より私が作り始めました。


 私は通勤電車が混まない7時前に家を出るようにしているので、朝5時台に起きて準備していますが、本当に大変です。


  ということで、川越街道の調査のペースを減速させないといけなくなってしまいました。次回は三番目の下練馬宿ですが5月3日の投稿を予定しています。どうかご容赦ください。



1日目:焼肉弁当


2日目:鶏五目ごはん


3日目:ポテト・ハムサラダとコロッケ、サーモンフライ


4日目:甘辛チキン唐揚げ、コロッケ、ゆでブロッコリー


5日目:帆立バター焼きと鶏ささみスティックとカレーコロッケ


6日目:サーモンのソテーと麻婆茄子、チキン南蛮


7日目:鶏つくね、鎌倉コロッケと海老とブロッコリーのサラダ


 自分で言うのもなんですが、上達しているというよりは、連日レベルダウンしている感があります。最初は気合入れて作っていたのですが、息子や妻が「手抜きでもいいよ」というのでそれに甘えてしまいました。ちなみに、息子は「おかあさんと同じ味」と言っています(ほら、冷凍食品使っていたのがバレてるぞ)。さすがに反省して、帆立のバター焼きや麻婆茄子に挑戦してみました。まずまずの出来でした。


 それでも実際に、朝出勤前にお弁当作って、帰宅後夕飯の準備もしていると残業もあまりできず、仕事にも影響してきます。共働きのママさんやシングルマザー、特にキャリアウーマンで、家事をしながら責任あるお仕事に就いている方には本当に頭が下がります。もちろん、妻にも日頃の頑張りに感謝です。


 ところで、各種経済統計によると少子高齢化にも関わらず、女性の就業率の上昇により、日本の労働力人口の数は維持されています。OECDの統計でも、日本の女性の就業率は先進国平均を既に上回っており、いわゆるM字カーブ(結婚・子育てで就労をやめ、子供が一定の年齢になり働き始める)もほぼ消滅しつつあります。
 
 一方で、一人当たりの労働時間が減少し、潜在成長率の低下要因になっています。高齢者や女性の活用は進んでいるのですが、高齢者は体力面から若い時のようには残業できず、また、女性はいわゆる「130万円の壁」からフルタイム就労を避ける方も少なくありません。最近ではデフレ脱却と賃上げを「迷惑だ」という方すらいらっしゃるようです。批判はあるかもしれませんが、3号被保険者制度の廃止と130万円超の層への保険料率の引き下げ、ママさんが安心して働けるような子育て支援(待機児童問題の完全解消など)は強く望まれます。


 ところで岸田政権も「異次元の少子化対策」を掲げ、先日の統一地方選挙でも「子育て支援」を公約にした候補者が多くいました。しかし、私は2つの点で違和感を感じています。


1.子育て支援は必ずしも少子化対策にはならない


(1)両者は似て非なるもの
 子育て支援と少子化対策は似て非なるものがあります。給食費を無償化しても、生活困窮世帯にはうれしいことですが、かといって「もう一人子供を・・・」という話にはならないでしょう(これは貧困対策として考えるべきでしょう)。待機児童問題についても、日本で一番待機児童率が高いのは沖縄県ですが、出生率は逆に同県が日本一高いです。東京は出生率最低ですが、首都圏近隣の県のほうが待機児童率が高いにもかかわらず、出生率は東京を上回っています。待機児童問題を少子化の原因とするのは説得力を欠きます。


(2)欧州の少子化対策はアジアでは参考にならない
 欧州諸国が経済的支援によって出生率を引き上げたとして、これを模範とすべきとの主張もありますが、効果は一時的で、ユーロ危機以来過去10年余りで、欧州諸国の出生率はまた低下してきています。ましてや、「欧州のようにシングルマザーに寛容な社会を」などの主張は意味不明です。


 そもそも、出生率低下の原因はアジアと欧州では大きく異なります。経済問題であり、晩婚化が背景にあることは共通していますが、欧州は若年層の失業率の高止まりが主因であるのに対し、アジアでは、住居費や教育費の高さがあります。実際に、日本では中学受験率が高い地域ほど、出生率が低い傾向があります。


(3)無益な学歴社会から脱却するのは容易ではない
 これは、中国古来の科挙の弊害でしょうか、「頑張れば出自にかかわらずチャンスがある」ということで、皆さん無駄に頑張ってしまっているからです。高校の授業料を無償化しても、塾代が増えるだけです。公立学校が忌避されるような東京の教育環境も影響しているかもしれませんが、いわゆる「Fランク大学」に入るために一生賢明勉強することには私は意義は見出せません。昔は、学歴はなくても「手に職」が重宝され、若いうちから職人さんが生活を確立できていました。


 お勉強が苦手な子には、早くから引導を渡して職業教育をする対策が考えられます。もっとも、小学校卒業段階で選抜が始まるシンガポールでは効果が出ておらず、高学歴の女性と低学歴の男性のミスマッチが起こっています。この結果、晩婚化が一層進み、出生率が日本よりも低くなっています。この問題を解決するのは簡単ではありません。


2. 間違いだらけの少子化対策


(1)子育てパパさんだって困っている
 今回のことで私も実感したのですが、本当に仕事に影響してきます。皆さん、気軽に「雇用主も理解を」「同僚も協力を」とか言いますが、仕事に支障が出て一番困るのは本人です。


(2)「気にせず休んでいいよ」というのは何もわかっていない
 男性にも育児休業をと言うのも、軽々しくいうべきではありません。プロ野球の4番バッターや、サッカーのエースストライカーが練習を休んだらどうなるのでしょうか。数試合を欠場してもファンは理解してくれますが、練習不足でパフォーマンスが低下すれば、批判も高まり、たちまちプロ失格となり、居場所を失うことになるでしょう。


 企業でも、重要なプロジェクトに関与している研究者なども同様な立場にあります。「仕事を休んでもいいよ」と言ってもいい対象は、ノンキャリアの方だけです。キャリアの方には仕事を休まなくてもよいようなサポート(例えば、お手伝いさんやベビーシッターの費用の所得控除など)が望まれるのではないでしょうか。数年前に寡婦控除がひとり親控除に変更されたのは一つの進歩ですが、実態を反映しているとは思えません。


(3)子育て困窮世帯の支援を同じ子育て世帯に負わせるな
 おそらく、こういった人材はそこそこの収入をあげていると思います。「高所得者にはサポートは不要」などと切り捨ててしまえば、企業の利益だけでなく、国益をも大きく損なうことにもかりかねません。そもそも年収1500万円~2000万円など、他の先進国では中所得者です。1000万円でも低所得者。600万円なら貧困層とされる国・地域もあります。


 鳩山政権時代に「こども手当」が創設された際には、所得制限が設けられませんしたが、その後、所得制限が導入される一方、扶養控除が廃止されるなど、ある程度の所得のある子育て世帯にはむしろ増税になってしまいました。言い換えれば、子育て世帯の中でも高所得者から低所得者に所得移転が起きてしまったことになります。しかし、子育て支援の負担を他の子育て世帯に負わせるのは正しいのでしょうか。実際に、「こども手当」が創設後に一時改善した出生率は、所得制限の導入、扶養控除の廃止後は、再び低下しています。


(4)所得分配にこだわっていると事態は一層悪化する
 私の住んでいる自治体では、「老人は道を譲れ」とぶち上げた候補者もいました(結局乱戦しましたが)し、政府内には社会保険を子育て支援や少子化対策にという主張も出てきているようです。しかし、過去の経済発展の功労者である高齢者に負担を押し付けるのもいかがなものでしょうか。ただでさえ不信感の出ている年金問題をより大きくさせてしまい、未納者が増える要因にもなりかねません。


 深刻化する少子化対策を国民に広く負担してもらうには、消費税の方が本来は優れた制度です。出生率の引き上げには、所得分配論を封印し、教育にお金をかけられる余裕のある高所得者への扶養控除を復活させるなど優遇し、子供を増やしてもらう方がむしろ有効でしょう。しかし、批判を恐れ選挙を意識する体質は与党も野党も変わらず、独身者や同性カップル(今や聖域化しつつあります)にも負担を負わせる消費税の引き上げや、児童手当への所得制限の撤廃・高所得者の優遇、を打ち出す度量はどの政党にはなさそうです。ここ1~2年で飛躍的な出生率引き上げができないと、母親の人口減少が加速する2025年問題や、ひのえうまの2026年は乗り越えられません。もはや時間的猶予はなく、なりふり構っていられないということを国民は認識すべきです。


 私は、今の日本では少子化が一層進行するのはもはや不可避であり、止めるのはもはや手遅れかもしれないと思うようになってきました。国民が望んでるのは、皆が豊かで活力のある社会であり、平等に貧しい社会ではないと思うのですが、日本は毛沢東時代の中国のような後者の道を進んでいる感がします。抵抗勢力に打ち勝ち、白猫黒猫論や先富論を打ち出した鄧小平は個人崇拝が進むだれかさんよりずっと偉大でした。


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