27年前の中国の衛生意識:秘蔵写真が出てきました
先日、中国厦門(アモイ)に旅行に行った際、びっくりするような大男に遭遇した写真を投稿しました。
引き続き机の中を整理していたら、1996年にある経済ミッションに参加し、中国に行った時の秘蔵写真が出てきたのでその報告です。
当時は、日中関係も良好で、中国側も歓待ムードでした。歓迎の晩餐会では刀削麺や手延べ麺のショーをご披露いただきました。
手延べ麺は糸のとうな芸術的な細さ。
刀削麺は。見事なリズム感でした。
私にとっては二度目の万里の長城(八達嶺)でした。
当時の中国はかなりオープンで、「えっ、こんなとこ見せていいの」という場所に案内してくれました。その時撮ったのが以下の写真です。
まずは、製粉メーカーです。日本でも導入されている欧州製の機械が入っており、これだけみれば当時の日本の製粉メーカーのオペレーションとあまり変わりませんでした。
しかし、びっくりしたのが、インスタントラーメンの国営メーカーでした。工程そのものは、日本のメーカーの昔のものと基本的に同じなのですが、問題は衛生管理です。湯で上がった麺を整えるのに人手を介しているなど、日本のメーカーではかなり昔にやめている、今では考えられない管理体制です。確か当時、中国では1袋1元(15円くらい)以下で売られていました。
麺を茹でたら、
箸で形を整えて、
袋詰めしますが、かなりの人手を介していました。
極め付きだったのは、棒状ラーメンの工程です(関東の方にはなじみがないのですが、九州では縮れていない麺は結構ポピュラーです)。袋詰めしたあと、自動検量機があって過不足をチェックするのですが、過剰だと女工さんが人手でセロハンの袋を開けて取り出し、再度熱で袋を閉じます。一方、不足していると、袋をあけて増量させて袋を閉じます。
問題は、取り出した麺を置いていた場所です。何と汚い床の上に直に置いていました。ここで視察団の皆さんの目は点になり、一斉にカメラを向け始めました。我々を案内していた工場長さんも「まずいな」と思ったのでしょうか、女工さんに何か一言二言注意しました。すると、女工さんは汚れたダンボールをどこからか持ってきてその上に起きました(まあ床の上よりはましですが)。その時の写真がこれです(直に床に置いた写真は間に合わず撮れませんでした)。
おそらく、当時の中国では工場の方たちもHACCPどころか何が問題か理解すらできていなかったのでしょう。今では日本メーカーも多く進出して、日本の基準にあった中国製食品が輸入されています。中国の進歩には目を見張るものがあります。
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