あちこち旅日記

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ますます疑わしいトルコの物価統計改ざん疑惑

 今回はGary1212さんが5月24日に投稿されていた大変興味深い記事をリブログします。10年前と比べてトルコリラが4分の1になっていますが、現地通貨での地下宮殿の入場料が10倍になっており、実質2.5倍の値上げという内容でした。


 トルコのような通貨が不安定な国では、外国人が多い観光地の入場料やホテル代などを外貨建てで設定することは珍しくありません。通貨が急落した分、入場料が自動的に大幅に値上げされることになります。


 もっとも、この記事を見る限り、通貨下落以上に値上げが行われていることになります。




 為替レートの考え方に、表面上の名目レートと、インフレ率格差を反映させた実質レートがあります。記事によると10年前に1リラ=30円だったレートが1リラ=7円になっているので、これだけ見れば円高リラ安ですが、地下宮殿の入場料は900円(30リラ)から2100円(300リラ)に大幅に上がっており、この場合実質レートは通貨高になります。


 実は、私も2018年の年末にトルコを訪問しており、当時1リラ=20円だった時に200円(10リラ)だったイスタンブール名物さばサンドが、2022年8月のユーチューバーさんの動画では1リラ=10円まで通貨安が進みながらも300円(30リラ)に値上がっていました。国際通貨基金(IMF)が発表している実質実効為替レートをみると、10年前との比較でトルコがOECD加盟国でワーストで、日本がワースト2でしたが、どうみても日本の方が下落率が大きいと言わざるを得ない現状です。最近では、50リラ(約350円)になっているとの記事もあります。


 ここまで通貨安が進んだ日本経済の状況が情けないのはもちろんですが、トルコではインフレ統計の改ざん疑惑が出ていることも指摘する必要があります。2022年のトルコのインフレ率は70%強でしたが、約180%との民間エコノミストの推定も報じられていました。実は、トルコリラが急落しトルコ旅行はお得になっているのではなく、実質的には通貨高が進み、コロナ前よりも観光旅行は随分高くなっていることを、以前投稿させていただきました。今回のGary1212さんのブログを拝見し、自分の見方が正しかったことを確信しました。




 インフレ鎮静化のために利上げすべきところを、トルコでは大統領の圧力でインフレ率より低い金利(実質マイナス金利)に抑え込でいる状況で、為替介入で通貨下落を防いでいると報じられています。海外旅行では、経済ファンダメンタルズと比べて通貨が割安な国に旅行するというのが私の信念ですが、考えてみたら今はまだ日本が世界一お買い得な国かもしれません。


 トルコで紀伊国屋文左衛門のようなリッチが気分になれる日は必ずやって来ると信じて待っています。




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