18年ぶりの石神井公園(後編)石神井公園の見どころは三宝寺池エリアにあり
前回に続き、石神井公園の報告です。前回は、石神井公園の東側の石神井池エリアを紹介しましたが、今回は西側の三宝池エリアの報告です。
(出所)東京都公園協会ホームページ
三宝寺池はかつて武蔵野三大湧水池のひとつでした。江戸時代には、いかなる日照りにもかれないといわれ、昭和30年代頃までは、真冬でも池面が凍らない「不凍池」として知られて いました。また、三宝寺池から水路が引かれ、この水路をせき止めて作られた池が石神井池でした。
しかし、かつての豊富な湧水も、周辺の市街化など環境の変化により、現在では見ることはできません。このため、井戸から地下水を汲みあげ、池を満たしているとのことです。
三宝寺池では浮島にある沼沢植物群落が1935年(昭和10年)に、国の天然記念物に指定されています。ここには、氷河期にはすでに存在していた寒冷地植物のミツガシワをはじめ、カキツバタ、コウホネなどがあります。当時は植物が約50種ありましたが、残念ながら水環境の変化などにより様相が変わり、種類、個 体数共、減ってしまいました。現在では大型の水生植物を刈り取り、カキツバタの成育を促すなど、この群落の回復を図っています。
三宝池エリアには、おでんとカレーで有名な休憩処「豊島屋」さんがあります。ここは、TV東京系で放映されている「孤独のグルメ」にも登場しています。店内および建物は撮影禁止ということなので、投稿動画や食べログに出ている投稿写真をご参照ください。なかなか風情のある作りのお店です。
豊島屋@石神井公園 「パーソナルこどグルツアー カレー丼とおでん」
孤独の料理11話 『石神井公園 豊島屋』
私は、この日そばがきを使ったお汁粉(500円)をいただいてきました。
三宝寺池の南側台地には、室町時代に石神井郷を領有した豊島氏の居城跡があります。城は中世の平城で、池と川という自然の地形を利用して 造られたようです。豊島氏は1477年(文明9年)、太田道灌との合戦に敗れ、このとき城も 落ちました。今では、わずかに空堀と土塁の遺構だけが残っています。なお、通常は文化財保護のため閉鎖しています。
石神井城跡には石神井氷川神社があります。当地の領主だった豊島氏が大宮の氷川神社から分霊を勧請して、応永年間(1394年 - 1428年)に創建されました。旧社格は郷社となっています。
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