あちこち旅日記

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東京湾アクアラインの旅(最終回):木更津・證誠寺と狸ばやし

 ホテル三日月で遊んだ後は、送迎バスで木更津駅に送っていただきました。以前報告したように木更津駅西口は寂れてしまっていますが、全国的に有名な名所があります。「証城寺の狸ばやし」で有名な浄土真宗證誠寺です。


 「証城寺の狸ばやし」は大正時代に当地へ講演に訪れた野口雨情が作詞したものです。野口は多くの名作を残し、北原白秋、西條八十とともに、童謡界の三大詩人と呼ばれていました。

 證誠寺の開基は江戸時代初期の17世紀中ごろとされていますが、狸ばやしの伝説はその当時からあった話をもとにしています。萩や薄の咲き乱れる境内で、中秋の名月に照らされながら、住職と大小百匹ばかりの狸が一緒に、「證誠院のペンペコペン、己等(おいら)の友だちゃドンドコドン」と歌いつつ、幾晩も楽しく踊ったと伝えられています。



 ところで、寺の名前が「證誠寺」なのに、歌のタイトルが「証城寺」となっているのは不思議です(「證」が「証」の旧字体であるのは違和感ありませんが、「誠」と「城」は似ているようで違います)。野口雨情は、歌詞を架空の話とするために、意図的に違う文字を使ったといわれています。実際に、作詞した当時に野口には、歌詞を読んだ寺の関係者から「住職がタヌキと一緒に踊るなんてことがあるはずがなく不敬である」という抗議があったとされ、野口は「證誠寺ではなく証城寺だと」と言い張ったと伝えられています(なお、野口が参考にした文献でしょうじょうじの表記が間違っており、それに気付かずそのまま紹介してしまったとの説もあります)。ともあれ、この歌は昭和の初めに大ヒットし、證誠寺の名前は全国に知られることになりました。

  狸は出てきませんでしたが、虫よけスプレーの持参必要です。


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