あちこち旅日記

乗り物好きの旅行日記。コスパのよい贅沢な旅がモットー。飛行機、鉄道の搭乗乗車体験記やグルメ情報をご紹介します。

存続への熱意に満ちた「いすみ鉄道」:東京から日帰りで行ける千葉県夷隅の旅④

 大原でのランチタイムの後は、いすみ鉄道に乗り城下町大多喜に向かいます。いすみ鉄道の駅は、JR外房線の駅に隣接しています。

 というのも、いすみ鉄道の前身は旧国鉄木原線です。旧国鉄木原線は1930年に設立されましたが、1987年の国鉄民営化を機に木原線は第三セクターに転換されることになり、翌1988年にいすみ鉄道として発足しました。現在は、大原〜上総中野間の全14駅を結び、営業距離26.8kmとなっています。


 いすみ鉄道は開業以来、慢性的な赤字に悩まされ続けており、何度も存亡の機に瀕してきました。2007年10月に行われたいすみ鉄道再生会議で、2009年度までの2年間は収支検証期間として存続する方針が決定されましたが、2009年度の決算で収支の改善が見込めない場合は廃止を前提に代替交通を検討することとになっていました。


 その後、いすみ鉄道は増便や駅の命名権の売却、新駅開設など経営改善策と乗客獲得策を打ち出したことで、経営状態の回復が認められ、2010年8月にいすみ鉄道線の存続が決定しされることになりました。


 駅の売店は、出札の機能兼案内所の役割も果たしています。

 駅のベンチは地元の方の手作りによるものが寄贈されていました。

 1両編成の列車がホームに入ってきました。「菜の花列車」とも呼ばれる「いすみ350型」車両です。

 ワンマン運転を行っています。

 黄色い鮮やかな塗装ですが、シートはボロボロです。

 途中で、被り物をした駅弁売りの方が乗り込んできます。

 30分ほどでデンタルサポート大多喜駅に到着。同駅は千葉県内の訪問歯科であるデンタルサポート株式会社が命名権を取得しており、2009年9月よりデンタルサポートを冠した愛称が付与されています。当初は1年の契約であったが、現在でも契約が延長されています。



 いすみ鉄道は2023年度は形式的には黒字になっているものの、2億円近くを県および沿線自治体からの補助金に依存しているのが現状です。しかし、実際に乗ってみると、沿線住民の方の足を確保すべく多くの努力をしていることが伝わってきました。
 いすみ鉄道の経営状態については、下記リンク(千葉県が公開している調査票)をご参照ください。


https://www.pref.chiba.lg.jp/koukei/kousha/documents/r4-isumitetsudo-1.pdf


 次回は大多喜城です。


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