あちこち旅日記

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今年1年を振り返って :一番思い出に残った旅行先、失望した旅行先

 本日は大晦日。今年一年ご愛読いただきありがとうございました。今年もいろいろなところに行ってきましたが、最後に一番思い出に残ったところ、一番失望したところをコメントしたいと思います。


 まずは、一番思い出に残ったところです。それは夏に行った山形県米沢市です。


手軽に米沢牛を味わう:JR東日本週末パスを使い東北旅行② - あちこち旅日記



米沢城址にある上杉神社:JR東日本週末パスを使い東北旅行③ - あちこち旅日記



ケネディ元米国大統領が尊敬していた上杉鷹山:JR東日本週末パスを使い東北旅行④ - あちこち旅日記


 米沢といえば、一番の観光名所は上杉謙信や上杉景勝を祀る上杉神社(米沢城址)と思われるでしょう。しかし、当地でこの二人をしのぐ尊敬を集めているのが上杉鷹山です。

 上杉鷹山の言葉としては「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」の和歌とともに「伝国の辞」が有名です。後者は、



・国(藩)は先祖から子孫へ伝えられるものであり、我(藩主)の私物ではない。

・民(領民)は国(藩)に属しているものであり、我(藩主)の私物ではない。
・国(藩)・民(領民)のために存在・行動するのが君主(藩主)であり、“君主のために存在・行動する国・国民”ではない。


の3か条からなる有名なものです。


 上杉神社から上杉鷹山を分祀した松岬神社には2015年9月、アメリカのケネディ大統領の長女キャロライン・ケネディ氏が訪問し、「父ジョン・F・ケネディ元大統領が、江戸時代の米沢藩の名君とされる上杉鷹山を尊敬し、就任演説に代表される考え方に影響を与えた」と述べています。

 その時のスピーチが松岬公園に碑文として残っています。

 「成せば成る・・」はケネディ家の家訓として根付き、また大統領就任時の演説「国家があなたに何をしてくれるか問うのではなく、あなたが国家に対して何ができるかを自問してほしい」という箇所は、「伝国の辞」をヒントにしたものといわれています。


 キャロライン・ケネディ氏の碑文を見たとき、思わずはっとするものがありました。我々が日本の国力が衰退しているのを全て政府の政策のせいにしていないでしょうか。勤勉という日本人の美徳を忘れ、政府に分配(減税)を要求するばかりで、結果的に政治家たちをポピュリズムに追い込み、誤った経済政策をとらせていることに我々が早く気がつかないといけません。


 統計ではっきりしているのは、日本人の平均労働時間が減少している、すなわち日本人が働かなくなっているという事実です。そもそも時短や働き方改革は、過労死が問題となったり、下請けいじめにあっている方のための政策だったはずです。しかし、日本人の労働時間の減少の背景に「年収の壁」「高収入の高齢者への年金減額」などの制度の欠陥から、健康に問題がなく余力のある方たちが勤労意欲をなくしていることがあることも指摘しないといけません。「年収の壁」の議論も所得減税という本来と違った目的に使われています(人手不足の解消に103万円の壁は問題ではなく、社会保障制度の欠陥による106万円の壁もしくは130万円の壁こそが問題です)。そもそも今の日本は人手不足の状況にあり、景気対策は不要なくらいです。大企業が賃上げをして人を集めれば、賃上げできない企業(中小企業)はバタバタと人出不足倒産する企業が急増していきます。


 一方で、難癖をつけてデジタル化に抵抗する勢力が、労働生産性の改善を阻んでいます(典型的なものがマイナンバー保険証問題でしょう)。これでは実質所得が上がるはずはありません。賃上げをしても生産性が上がらなければインフレになるだけで実質所得は増えません(これは経済学の基本中の基本です)。


 我々が考えないといけないのは、何が何でも政府に頼るのではなく、自分に何ができるかということです。財政難の中で生活苦の方を救うには、企業が、そして健康な国民一人一人が、少しでも多く稼ぎ、少しでも多く納税していくことではないでしょうか。政府がすべきは、ばらまきではなく、円高になっても世界で勝負できる企業を育成すること、そして十分な教育を与えられていない人たち、古い知識しかもっていない方たちへのリスキリングです。長岡藩のコメ百俵に話に象徴されるように、今日の事にお金を使うのではなく、我慢して自らの将来に投資することも必要でしょう。今から300年近い昔に、上杉鷹山は勤勉さを説く一方で、地場産業を育成し、米沢藩を苦境から救いました。


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 一方、がっかりした旅行先は広島の平和記念公園でした。
 

残念だった広島平和公園:広島に行ってきました⑪ - あちこち旅日記


 平和記念館にあった寄せ書きに「日本が戦犯国であることを忘れるな」「アメリカもイスラエルもだ」とあったのは、核兵器廃絶に賛同するどころか、「日本にそんなこと言う資格などない」との書きぶりでした。結果的に、平和記念館の展示は世界の分断を煽っているのではとさえ思えてきました。

 昨年のノーベル平和賞に日本被団協が選ばれましたが、残念ながら同団体の活動も、もともと政府に原爆被害者救済を求めることが目的であり、核兵器廃絶は後からつけたような感じです。


 また多くの反核兵器を主張する団体は、大きな事務局を抱え、人件費だけでも相当な負担になっていると推察されます。まだ被団協はマトモな方かもしれません。他の反戦団体や難民支援団体、環境保護団体の中には、私腹を肥やす如く、寄付金を集めのために企業にゆすりたかりを繰り返す、「プロ市民」が少なくありません(実際、私もあるNGOからたかり行為を受けたことがあります)。そもそもホームベージに財務諸表すら出ていません。一方でいらぬ政府批判などをして、国内外の世論を分断している感があります。


 長崎でもイスラエルの記念式典への参加を拒んだことで、これまで記念式典に毎年参加してきた西側の核兵器保有国にまでボイコットされていしました。こうした有様を見ていると、ますます核兵器のない世界は遠のいてしまっている感があります。


 2025年はこうした「プロ市民」たちに騙されず、上杉鷹山やジョン・F・ケネディのように、「自分には何ができるか考える」一年にしたいものです。


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