あちこち旅日記

乗り物好きの旅行日記。コスパのよい贅沢な旅がモットー。飛行機、鉄道の搭乗乗車体験記やグルメ情報をご紹介します。

ワンワールド世界一周航空券を使いこなすテクニック

 私の旅行記をお読みいただき、ご自分でもチャレンジしたいとおっしゃる方もいらっしゃうようですので、この機会にアレンジのテクニックを記録として残しておきたいと思います。


 今回の世界一周は、ワンワールド・エクスプローラー3大陸(ビジネスクラス)を購入しました。ただし、この航空券を使いこなすのは簡単ではありません(パック旅行しか海外旅行の経験のない方だとハードルは高いかもしれません)。私は、もっとシンプルな旅程でしたが十数年前に一度使ったことがあるうえ、ある程度の業界の基礎知識(総合旅行業主任者資格を保有)もありますが、それでも3年ほどの準備期間をかけて研究を重ねて予約を行いました。



 さらに、コストを抑制するにはプロの代理店の方並みの専門知識も必要になります。しかし、ここを知らないと下手をすると数十万円単位でコストが変わってしまいますので、ぜひとも頑張ってほしいところです。


 初心者の方は、専門の旅行業者に相談するのがよいのですが、まずはじっくり時間をかけて研究し、最低限の基礎知識を身につけてからご相談されることをお勧めします。



1.どこで相談・発券するか?
 世界一周航空券を予約発券するのに、そこらの旅行代理店にぶらっと入っても扱ってもらえません。専門知識を持った経験者でないと、そこらの旅行代理店スタッフでは歯が立たない難敵です。


 いくつかの専門の会社がありますが、これらの旅行会社では、ある程度の相談料がかかります。問い合わせだけなら数千円~、発券までなら2~3万円程度を見ておいた方がよいと思います。


 代表的なところで、世界一周堂があります。割と評判もよく、実績豊富のようですが、現在は取扱停止中とのことです。



 
 また、HISには世界一周デスクがあります。


 
 ちなみに私は、旅行代理店は使いませんでした。


 第一に、予定変更時やキャンセルなどの際の手続きを全て代理店を通して行わないといけないため、緊急時の対応に不安を感じたためです。特に、予定変更などの必要性が週末に生じた時、あるいは時差のある現地で起きた時に対応してもらえない恐れがあります(飛行機に乗り遅れると前途無効になる恐れがあるので、特に乗り遅れには注意してください。空港には3時間前到着を目標に行動しました)。


 また、予約変更やルート変更では、航空券の再発券の必要がある変更には発券手数料と取扱手数料が両方必要になります(同じ便名の飛行機や、同日の同一航空会社の便への変更ならば発券手数料は不要ですが、代理店を経由すると取扱手数料がかかります)。特にコロナのために、現地での欠航・便の変更が頻繁に起こる可能性があるので、大変リスクが大きいと感じたわけです。


 私は航空会社(日本航空)を通じて予約しました(航空会社を通じて発券する場合は、通常は第一便の航空会社が発券会社になります)。万が一トラブルが発生した時に、日本語で連絡が取りやすく、世界主要都市に支店があるためです。




2.プランニングの作成


 チケットの基本ルールを理解した上でということになりますが、実際の予約・発券の進め方です。


 まず、どうしても行きたい国・都市を決めます。旅程策定に上ではどうしても妥協が必要になってきますので、それでも「ここだけは」というところを決めておきます。


 その上で、ワンワールドのサイトでプランナーを使い、旅程を立てます。このプランナーでエラーなく旅程が組めれば、条件を満たしていることになります。また、サーチャージ、諸税込みの概算額もわかります。もしエラーが出てしまうならば、ルールに違反しているか、フライトが満席を意味していますので、再検討が必要です。


 プランナーのリンク先をつけておきました。




 次にそのプランナーの記録をセーブもしくは旅程を印刷して、航空会社の発券窓口に持ち込みます。ちなみに、このプランナーではオンライン発券ができません(第一便がアメリカン航空なら、アメリカン航空の決済システムにつながるらしいと聞いたことがありますが、試していないのでわかりません)。問題は航空会社のデスクが皆さまのお住まいのところにないケースです。日本航空ならば、電話で相談できるので、聞いてみてください。私は、有楽町にあるJALの営業窓口で発券しました。


 なお、このプランナーではコードシェア便の予約が出来ません(運航会社の便名しか表示されません)。また、乗り継ぎ便についてはプランナーでは出て来なくても、利用可能なものがありますので、発券時に窓口で問い合わせてみるのもよいと思います。


3.コストを抑えるテクニック
 さて、ここからが本番です。コストを抑えるためには、いろいろなテクニックが必要になります。


(1)燃油サーチャージを抑える
 運賃で大きなウエイトを占めるのが燃油サーチャージです。日本航空の場合、2/1~3/31発券分で欧州、北米、オセアニア線は片道47,000円、日本-ハワイ、インドネシア、インド、スリランカは同30,500円かかります。場合によっては、航空運賃よりも高くなってしまいます。
 サーチャージは、ほとんどの航空会社の場合、指標価格のシンガポールケロシン市況の円換算値に連動しますが、市況変動とサーチャージの決定にはタイムラグがあるため、向こう数か月は確定しています。さらに金融リテラシーのある方なら、為替と原油市況の先行きを読んでいつ予約・発券したらよいか判断できると思います。
 また、同じ路線でも航空会社によってサーチャージが異なることがあります。通常は、同一路線であれば、同じ金額になることが多いのですが、アジアの航空会社など、当該国までは日本の航空会社と同じでも、そこから先は割安なケースがあります。また、航空会社によっては、サーチャージ制度を廃止し、全て運賃込みの表示になっているところもあります。この場合、ワンワールド・エクスプローラーではサーチャージなしということになります。私はここを見逃さず、大陸間(アジアー欧州、欧州-北米)ではサーチャージ不要のカタール航空を利用しました。他にカンタス航空、スリランカ航空、アメリカン航空(ただし路線による)もこういった事例にあたります。
 コードシェア便で発券する際も、便名次第でサーチャージがかかったり、かからなかったりするので注意してください。私は、うっかりコロンボ―成田をJL便のコードシェアで予約してしまい、2万円以上余計に費用を払うことになってしまいました。
 また、発券会社によってもかかるケース、かからないケースもあるので注意が必要です。


(2)空港諸税を抑える
 サーチャージとともに、意外にかさむのが空港諸税(空港利用料、出国税など)です。割引など期待しにくいように思えますが、工夫次第で安く抑えることができます。
 まず、24時間以内の滞在(トランジット)を利用することです。トランジットならば、空港利用料は課せられても、出国税が免除されるケースが一般的です(ただし、中には空港のトランジットエリアにとどまる限りという条件のところもあります)。
 また、欧州では一般的ですが、乗継便の場合、出発空港で出国税が徴収され、空港使用料が出発空港と経由地で二度徴収されます。しかも、目的地により税額が異なるという複雑なルールになっています。特にロンドンには注意が必要です。ロンドンの場合、ビジネスクラスの長距離便(日本など)では出国税が3万円を超えます。これはプレエコでも同様です(パリも出国税が高額ですが、プレエコはエコノミーと同額です)。
 例えば、東京-ロンドン-ヘルシンキ-東京と、東京-ヘルシンキ―ロンドン―東京では、後者の方が2万円以上割高になります。
 欧州を周遊するときは、絶対にロンドンを最終地にせず、ロンドンを到着地にしてここからスタートすることは鉄則です。また、ロンドン経由で乗り継ぐ場合は絶対に入国しないこと、また、やむを得ず英国発に乗る時は、近距離便で出国しましょう。


 実際の税額は以下ご参照。
https://www.fivestar-club.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/12/2022_airport_tax.pdf


(3)発券手数料を抑える
 旅行代理店では、相談料のほかに発券手数料、また予約変更時にも取扱手数料がかかります。これも度重なると高額になります。これに対して、航空会社で発券すれば、発券手数料だけで済むこともあります(ただし、発券後の旅程変更時には取扱手数料と発券料がかかるケースもあります)。
 しかし、ここでも裏技があります。日本航空では、通常の往復チケットの発券であれば、サイトから予約しクレカ決済すれば発券手数料がかかりません(ただしワンワールド世界一周航空券は同社のサイトでのオンライン予約はできません)。電話での発券、支店有人カウンターでの発券には手数料がかかりますが、旅行券を使った支払いであれば手数料(5,500円)が免除されます。旅行券は低金利の局面では、かなりの利回りがよい金融商品にもなりますので、お勧めです。金券ショップでも購入することもできます。


JAL利用券について
https://www.jal.co.jp/jp/ja/jcfm/goods/


発券手数料について
https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/payment/tsf/


JAL旅行券の購入方法について


 皆様も手間を惜しまず、コスパの良い贅沢な旅にチャレンジしてみてください。


 長らくご愛読いただいたワンワールド世界一周記はこれで打ち止めです。ご愛読いただきありがとうございました。


 今後の予定ですが、明日をもって、ふるさと納税返礼品特集もひとまず休載とさせていただき、明後日3月8日より新連載「都電さくらトラム途中下車の旅」を始めます。


 なお、ワンワールド世界一周記は時系列のまま単純にこれまで投稿してきました。初期の頃をご覧いただいていない方もいらっしゃるのではと思い、テーマごとに再編集して、後日投稿したいと考えております。
 

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