2016年にキューバの首都ハバナを訪問しました。この年の米国大統領選挙でトランプ氏が当選したことでキューバとの関係が悪化してしまいましたが、当時はまだオバマ政権下でした。前年の2015年よりキューバと米国との間で国交正常化交渉が開始されており、関係改善が期待されていました。国交が正常化し、アメリカ人観光客が大挙して来たらキューバの良さが無くなってしまうと思い、急いで訪問しました。

　キューバへの観光目的の渡航には、「ツーリスト・カード」を在日キューバ大使館または旅行代理店などから入手する必要があります。これは、アライバルカードのようなものですが、東京で入手するには個人情報や写真を添えて申請する必要があるので、事実上ビザの機能も果たしています。これで原則として1回30日以内（30日間の延長可能）の滞在が認められます。

　ツーリスト・カードは、キューバに乗り入れている航空会社からも入手・購入することができる模様で、エアカナダを利用すれば機内で無料でもらえます。つまり、事実上ノービザで訪問できることになります（エアカナダではトロントｰハバナ便の機内でいただけました）。アメリカの航空会社もハバナに就航しているようですが、乗り継ぎ時の入国審査が面倒で、ツーリストカードが入手できるか不明です。日本からの所要時間が短く、乗り継ぎも円滑なエアカナダが一番のお勧めです。

　ただし、エアカナダの機内で本当にツーリストカードを入手できるかその時は半信半疑だったので、私は在京キューバ大使館で入手しました（建前上は、カナダ人のみへの配布ということになっており、問い合わせても「配布している」と回答してもらえないようです）。キューバ大使館の領事窓口は平日の午前中しか開いていませんが、東京在住の方はご自分で行くのが一番簡単で割安に入手できます。本人が出向けば2,100円だけで済みます。

　ツーリストカードの入手方法については下記記事をご参照ください（エアカナダ利用がコスパが一番よいのですが、あくまで自己責任でお願いします）。

　ハバナでは街中にこのようなクラシックカーがあふれています。自動車は、①外国人向けの観光クラシックカー（よく整備されたクラシックカー）、②ローカル向けのタクシー（オンボロのクラシックカー）、③外国人向けの実用的な小型タクシー（BYDなどの中国車、KIAなどの韓国車が多かったです）に大別されます。空港からホテルまでのタクシーは③です。

　ホテルは、ホテル・リブレ（旧ハバナヒルトン）に泊まりました。今はスペイン系のメリアホテルのチェーン傘下に入っていますが、当時は部屋は広く、料飲施設充実していますが、メンテナンスは内装はぼろぼろでした。下記サイトの写真とは全然イメージが違いました（本当にきれいになったのかよくわかりません）。

　ホテルの部屋からの眺めです。

　キューバのシンボルでもあるエルネスト・ゲバラの似顔絵のある内務省の建物です。

　
　ちなみに、ここからの帰りに大変な目に遭いました。

　当時のキューバのイメージですが、貧しいながらも人々は誇りを持って一生懸命生きているという感じでした。1980年代の中国、1990年代前半のベトナムというイメージでしょうか。当時は、経済封鎖が解除されつつある時期でしたが、まだ残る統制下でも経済は意外にうまく回っているように見え、外国人用の兌換ペソ（CUC)とローカル用の人民ペソ（CUP）との間のレートも安定していました（闇レートは存在していませんでした）。ハバナ市内では、普通にCUCが流通し、個人商店を経営してCUCが入手できるキューバ人は物に不自由しない生活を送れていました。なお、こうしたキューバの二重通貨制度は2021年１月より廃止されています。

　一方で、トランプ政権によるキューバ制裁の再開により、キューバ経済は再び混乱に陥っている模様です。最近の実態がどうなっているか、また見に行ってみたいです。

　なお、コロナ禍による入国規制ですが、外務省情報によると、入国時に無作為のPCR検査が実施されているようです。2023年1月23日から入国手続きの迅速化を図るため、検疫、入国審査、税関申告のデータを含むデジタルフォームD'Viajerosの提示を全旅行者に対して求めているとのことです。デジタルフォームへの入力は、入国48時間前から可能です。入国およびツーリストカードの申請に際しては、保険加入が義務付けられているのでご注意ください。

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