あちこち旅日記

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ガザ紛争の真相を探る③:やはりあの国?

 資金力に余裕があり、国連機関に影響力を行使しうる国で、アメリカを困らせることで得をする国といったら、やはりロシアでしょう。


 実際に、ガザ開戦により米国がイスラエルへの弾薬の提供を増やした結果、ウクライナ支援のためのリソースが割かれ、ウクライナとの戦況でロシアが優勢に転じたことは広く報じられています。



 また、過去にも旧ソ連には大きな前科があります。それは1967年に起きた第三次中東戦争です。


 当時、アラブ諸国が旧ソ連から兵器を購入していた関係で、これらの国にはソ連国家保安委員会(KGB)の要員が入り込んでいました。ソ連は、中東でアメリカに対して有利な立場を得ようと中東で戦争を起こそうと当時画策していました。イスラエルとシリア双方が即時に開戦する意思も態勢もなかったにもかかわらず、KGBはエジプト政府に両国が開戦するとの虚偽の情報を知らせました。またソ連はシリア政府に対しても、イスラエルがシリアへ侵攻する準備を開始したと伝達し、このためシリアは開戦に備えて国境沿いを軍で固める事態となりました、ヨルダンも1967年5月にエジプトと共同防衛条約を結び、イスラエルの侵攻に備えていました。


 一方、イスラエルの諜報特務庁(モサド)はアラブ側の情勢を絶えず収集しており、開戦を避けるためにアメリカに仲裁を求めていました。しかし、当時の米国はベトナム戦争を戦っていたため、中東でイスラエルを支援する余裕がなかったために応じず、安全保障上重大な危機感を抱いたイスラエルは、アラブ諸国に侵攻される前に先制攻撃をかけ、第三次中東戦争が勃発しました。KGBはこうしたイスラエルに関する情報を入手していましたが、アラブ側には伝達しませんでした。


 戦闘はわすか6日間で決し、イスラエルの占領地域は戦前の4倍以上までに拡大しました。ソ連はアラブ支持の立場を取っていましたが。アメリカとの協議で、イスラエル軍の撤退と、アラブ側にイスラエルを承認させる妥協案を承認。しかし、アラブ側が妥協案を不服としたため決議は行われず、イスラエルによる占領の既成事実化だけが進み。ソ連は結果的にこの地域での影響力を大きく失う結果になってしまいました。


 ソ連崩壊以降、ユダヤ系を中心に多くのロシア系国民がイスラエルに移民したため、イスラエルには多くのロシア系移民がいます。このため、ロシアによるイスラエルでの諜報活動はかなりやりやすくなっていると考えられます。


 ロシアが巨額の資金提供をエサにハマス幹部に接近し、敗走後の身の安全と報酬の保証をしていたとすれば、ハマスが住民の犠牲を厭わず勝ち目のない戦争を仕掛けたことの説明がついてしまいます(なお、この考察を証明する根拠はなく、あくまでも筆者個人の推理によるものです)。


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