あちこち旅日記

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メディアが報じない中東の真実:中東はさほど難解ではありません

 先日、自分自身の中東ビジネスの経験をもとに「中東旅行のススメ」を3回シリーズで投稿しました。





 ところで、日頃知人には「中東はよくわからないという意味で怖い」と言われています。確かに、各方面で「中東は難解」という言い方がされます。しかし、中東ビジネスに携わってきた身としていえることは、「中東はさほど難解でない」ということです。中東を難しく見せているのは、わざと難しく説明して自らの存在意義を維持しようとしている三流学者と、宗教対立の視点から感情論でしか報道しない左派系メディアであるように思います。




 また、中東の専門家には、宗教学者のほか国際政治や軍事評論家はいますが、経済をよく理解しているエコノミストはごく少数派です。トランプ政権による経済制裁でイランの通貨リヤルが大暴落した時、レバノン国債がデフォルトしそうになった時、イランやレバノンの通貨制度や今後の展望について意見交換をしようにも、日本には議論できる専門家は少数しかいませんでした。


 中東を理解する上での最も重要な視点は「各国政府は部族社会の集合体であり、それぞれが自らの経済的利益のために合理的に行動している」「敵の敵は味方である」と考えることです。この視点で考えれば、大半のことは簡単に説明できてしまいます。「シーア派だから」「スンニ派だから」、「イスラム教徒だから」「ユダヤ教徒だから」「キリスト教徒だから」という発想を捨てないと、余計に混乱してわからなくなります。


 かつて、多くの学者やメディアがこうしたアプローチにこだわり、偏った情報を出し続けた結果、パレスチナに同情的な偏った世論が形成され、日本赤軍などの過激な勢力を生んでしまいました。「テルアビブ空港乱射位事件」など、イスラエルに大きな迷惑をかけた日本人犯罪者がいて、日本人の印象を悪くしていました。


 次回以降、何回かに分けてハマスとイスラエルの武力衝突を考察してみたいと思います。


 昨年10月7日の紛争ぼっ発後、多くの知人は私にイスラエルが反撃に出た際に「これはいつもの事?」「これで中東全体に紛争が広がるの?」「オイルショックがまた起きるの?」と見解を求めてきました。私の答えは、


①「過去の紛争とは少し違うようだ。ハマスがすぐに降伏すればよいがが、そうでなければイスラエルはハマスを根絶やしにするまで徹底的に攻撃するかもしれない」
②「しかし、アラブ諸国は口でイスラエルを非難するだけで、軍事行動を起こすことはないだろう」
③「第四次中東戦争の時のような原油高騰が起きることは想定し難い」
④「軍事力でイスラエルにかなわないことから、イスラム原理主義組織や、親イラン勢力が地下に潜ることがむしろ心配。紅海の船舶航行に支障が出たり、世界中にテロが拡散する恐れがある。その場合、中東だけが危険ではなくなる」
⑤「イスラエルは米国の仲裁に耳を傾けることはないだろう」
⑥「ハマスももうイランのいうことを聞かなくなっているのかもしれない」
⑦「今回の紛争の黒幕は別にいるかもしれない」


というものでした。そして大変残念なことに、①~④で懸念したことがことごとく当たってしまいました。ということで⑤~⑦についてもこの見方が当たっているのではという嫌な予感がします。



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