あちこち旅日記

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練馬区にはない東武練馬駅:練馬にまつわる不思議な3つの駅


 東京都練馬区に関連した不思議な駅が3つあります。


 一つ目は、以前にも報告した豊島園駅です。西武線と大江戸線が交わるこの駅は名前からして豊島区にあると勘違いしてしまいますが、練馬区にあります。


 駅名はもともと遊園地であったとしまえんに由来しています。としまえんは2020年8月末の閉園しており、跡地の状況については以前にも投稿しているので、ご参照ください。



 そもそも、なぜ練馬区にあるのに「としまえん」だったのでしょうか。各種文献によると奈良時代にこの地にあった練馬城の主であった豊島氏由来するとされています。明治時代の廃藩置県で、この地は北豊島郡となり、その後1932年に当地は東京都に編入されました。北豊島郡はとても広大だったため、池袋や目白などの中心部が今日の豊島区に、としまえんのあった場所は板橋区に区分されました。


  としまえんが出来たのは1926年でしたが、当時はまだ東京市に編入されておらず、北豊島郡に属していました。その後、東京特別区が発足した1947年に板橋区から練馬区が分離し、23番目の区なった経緯があります。つまり、としまえんが開園した時には、板橋区、練馬区ともに存在していなかったことになり、北豊島郡の地名だけが存在していたわけです。

 開園時に豊島氏ではなく、練馬城を由来に「ねりまえん」とでもしていれば混乱は生じなかったのではと思います。



 2つ目の不思議な駅ですが、西武池袋線の江古田(えこだ)駅です。実は、練馬区に江古田という地名はなく、駅から少し外れたところに中野区江古田があり、しかもこちらは「えごた」と読みます。江古田(えこだ)駅周辺はは大学が多い文教地区であり、商店街もなかなか面白いです。また別の機会に紹介したいと思います。


 3つめの不思議な駅ですが、東武東上線にある東武練馬駅です。ここは練馬といながら板橋区にあり、しかも西武池袋線や都営大江戸線の練馬駅(練馬区役所もこの近くにあり、練馬区で一番栄えています)から遠く離れた場所にあります。


 東武練馬駅のある場所は板橋区徳丸ですが、道一本南下するとそこから南側が練馬区北町となります(丁度この右に入る細い道が区境です)。ランチの貼り紙のあるお店(がってん寿司)はぎりぎり板橋区徳丸になります。



 西武線と同様に東武線が開通した当時は練馬区が存在しておらず、その後板橋区から練馬区が分離した歴史があります。戦前に東京市に編入される前のもともとの地名は駅を含む北側が北豊島郡赤塚村徳丸、南側が同練馬町でした。知名度が練馬の方が高かったことから練馬を駅名にしたそうです。既に西武池袋線が開通し練馬駅が存在していたため、練馬駅と区別するために東武練馬としましたが、練馬駅のある場所を中心に練馬区が大きく発展したことで、今日の違和感につながっているようです。


 現在では、駅の南側が雑然とした商店街が広がる一方で、駅の北側が発展しています。徳丸は「坂が多い街」として「坂マニア」の間で結構有名だそうです。


 副駅名として「大東文化大前」とあるように、同大学への通学路になっていますが、あまり学生は見かけません。東武練馬から同大学まではスクールバスが出ていますが、時間が7分程度かかります(徒歩では約20分)。学生は、徒歩約10分でアクセスできる都営地下鉄三田線西台駅を主に利用しているようで(これだと大手町に直通なので、神奈川、千葉方面からの通学にも便利です)。


 練馬側はいかにも場末の商店街というイメージです。訪問したのは平日でしたが、昭和レトロなカラオケから歌声が聞こえてきました。


 一方、北口駅前にはイオンモールが立地しています。


 最上階にはイオンシネマがあり、この日は14作品が上映されていました。食品スーパーのほか、アパレル、無印良品、飲食店が豊富で、ペットショップまであります。よく、地方ではイオンがデートスポットだと聞きます。意味不明だと思っていましたが、少しわかった気がします。

 北口には徳丸家という、地元感のある家系ラーメンの店もあります。


 高齢者には坂がつらいかもしれませんが、若い世代の方には大変便利で暮らしやすそうな街です。


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