西武池袋の名物うどん店「かるかや」閉店騒動について
そごう西武の外資ファンド売却とヨドバシカメラ進出が物議をかもしている池袋西武の現状を見てきました。
話題になっているのは、孤独のグルメの原作にも登場し、9階の屋上庭園でいつも行列の絶えないうどん店「かるかや」さんです。1968年以来56年間営業を続けてきた同店ですが、この6月末での営業終了・閉店が発表されており、「ヨドバシカメラ」進出による被害者のような記事も多く出回っています。
池袋西武ですが、現在、所有者の交代に伴い2025年のグランドオープンを目指して令和の大改装計画が進められています。現時点では、9階屋上庭園の改装計画・スケジュールは発表されていませんが、「かるかや」さんのケースでは、地下1階のデパチカエリアにある同店の店舗で麺うちを行っているため、地下1階の改装で営業ができなくなることが影響している模様です。
百貨店の店舗改装はよくあることですし、百貨店のオーナーとしては必要な投資であることはいうまでもありません。「かるかや」さんの場合、半年くらいの期間であれば近隣に店舗を見付けて営業していくことは可能だったはずです。大幅な家賃引上げを要求されていたとしても、これほどの有名店ならば近隣でリーズナブルな代替店舗は見付けて移転営業できたであろうことは想像に難くありません。
あるいは店主や職人さんの高齢化・退職などがあったのかもしれませんが、この機になぜ閉店を決意したのか、正式に発表が行われていないのでわかりません。また、デパ地下自体は当面営業を継続するようで謎が多く残ります。少なくとも、外資ファンドやヨドバシHDが悪であるときめつけることは「お門違い」のように思えます。
最近、地方部・都心部に共通し、土休日の営業やランチ営業を取りやめている店が多い見られます。明らかに人手不足が原因であり、デパートや家電量販店でも店員がつかまらず、欲しいものが買えないことも珍しくありません。もはや、日本の経済不振が需要不足でなく、供給不足に起因していることは明白です。こんな状況で、旅行支援を行っている自治体がまだあることや、生産性向上を「経団連の横暴」などと批判している方がいることに驚きを隠せません。
サービス業においても、時短をしても一人の実質労働量を増やし影響を相殺できるような真の「働き方改革」や、少しでも多く働いてもらえるようにインセンティブを与える税制改革が求められます(累進課税制度や、過剰な生活保護、「130万円の壁」、働く高齢者への年金減額などは、女性や高齢者の勤労意欲を大きく低下させています)。
日曜に、雨の中9階屋上庭園に行ってきましたが、開店直後でかつ雨模様だったということもあり、屋上が閑散としていた中で、「かるやか」さんには長蛇の行列ができていました。混雑を避けるために整理券を配布していましたが、利用できるのが午後3時半以降といわれ、この日はあえなく断念。自宅用に持ち帰って食べることにしましたが、こちらも午後からでないと売り場に商品が出ないようで、月末までに日を改めて行くことにしました。
ちなみに、屋上庭園は以前にも天気の良い日に訪問して投稿していますので、こちらをご参照ください。
デパート屋上の庭園を巡る③:池袋西武 - あちこち旅日記
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