アトラクションとしてのバンジージャンプ発祥地:ニュージーランドのカワラウ渓谷
見ていて楽しいけど、自分でやるのは「ちょっと・・」というもの。プロレス、スキーのジャンプ競技、そしてバンジージャンプです。
バンジージャンプは、バヌアツのニューヘブリディーズ諸島ペントコスト島で行われていたナゴールという儀式が起源とされています。
ナゴールは、当地での成人になるための通過儀礼で、5週間ほどかけて数十メートルにもなるやぐらを木で組み立て、若い男たちが足にツタをくくりつけて飛び降ります。1972年から1982年まで日本テレビ系列で毎週木曜に放送されていた「驚異の世界」という番組のオープニングにも使われていたシーンは今でも覚えています。
衝撃!命知らずの男たち!!バヌアツ バンジージャンプ vanuatu landdive
このナゴールに影響を受け、1979年に英国オックスフォード大学のデンジャラス・スポーツ・クラブのメンバー3名が、英国ブリストルにある高さ76mのクリフトン吊橋からジャンプしたのが、近代的バンジージャンプの初の例とされています。
その後バンジージャンプを近代的なアトラクションにしたのが、ニュージーランド出身のA. J. ハケットという方です。ちなみに、バンジー (bungy) とはニュージーランド英語でゴムひものことを意味しています。ハケット氏は安全にジャンプする方法を考案し、1980年代中盤に超伸縮素材のゴムひもを作成しました。そして、ニュージーランド各地の橋からのダイブを成功させていきました。
ハケット氏1988年に自らの名を冠した会社「A. J. Hackett Bungy」を立ち上げ、ニュージーランド南島・クイーンズタウン郊外にあるカワラウ渓谷吊り橋に、エクストリームスポーツとして一般の方ができるバンジージャンプ場を設けました。今ではアトラクションとしてのバンジージャンプはこのカワラウ渓谷吊り橋が起源と言われています。
私は1991年の正月休みにニュージーランドを旅行しこの地を訪れました。日本ではまだバンジージャンプのことはあまり知られておらず、新鮮な目で拝見しました。
ちなみに日本での常設バンジージャンプ台は1994年に南知多グリーンバレイに開設されたものが最初とされ、その後テレビのバラエティ番組で罰ゲームに登場するようになりました。カワラウ渓谷吊り橋のジャンパーたちは、罰ゲームという感はもちろんなく、いかに美しいフォームで飛ぶかをお互い競って楽しんでいるようでした。
写真の方はオーソドックスですが、恐怖心を克服しての見事な反り返りです。中にはひねりを加えて飛び込む方もいて大盛り上がりでした(高飛び込みの競技よりも高さがあるので迫力があります)。なお、あまり悪乗りしすぎる大技を見せると、いたずら好きのスタッフに全身ずぶ濡れになるように水面下まで落とされていたらしいです。
このジャンプ台、今はどうなっているのでしょうか。最近行かれた方、これから行く予定のある方、ぜひ教えて下さい。
なおハケット氏はニュージーランドのアドベンチャー・ツーリズムへの貢献を評価され、2017年にニュージーランド・メリット勲章を授与されているそうです。
参考になったら、「プロフィール」のバナーをクリックお願いします。過去の記事リストがあります。シリーズ通してご覧いただければ嬉しいです。