あちこち旅日記

乗り物好きの旅行日記。コスパのよい贅沢な旅がモットー。飛行機、鉄道の搭乗乗車体験記やグルメ情報をご紹介します。

世界遺産・富岡製糸場:穏やかな冬の日の群馬旅⑥

 こんにゃくパークで工場見学の後は、世界遺産に登録されている富岡製糸場(「富岡製糸場と絹産業遺産群」の名称で登録)を訪問しました。


 思わぬミスで電車を一本乗り過ごし、40分ほど遅れて最寄り駅の上州富岡に到着しました。上信電鉄の大半の駅は木造でレトロな駅舎になっていますが、ここは例外的に真新しい鉄骨柱に煉瓦壁が巻きつく建物になっています。この駅舎は三代目になりますが、2014年3月に供用開始した直後の同年6月に富岡製糸場が世界遺産に認定されています。富岡製糸場への玄関口という点を強調し、建物も模したかたちになっています。


 駅前広場には、富岡市のゆるきゃら「お富ちゃん」が建っています。富岡製糸場の女工さんをイメージしたもので、「永遠の14歳」という設定になっているようです。プロフィールによると、性格は「やさしくおしとやか」で、富岡がもっと豊かになることをいつも願っているそうです。

 駅から富岡製糸場までは10分弱と聞いていたのですが、道を間違えて、20分以上もかかってしまいました。正門前には、シルク専門店、シルク石鹸の店などが並びます。

 正門でチケットを買うのに手間取るのではと思い、こんにゃくパークであらかじめ購入しておきましたが、その必要もなかったようです。シーズンオフのために空いていました。


 メイン施設の置繭所。

 開業した「明治五年」の礎石が埋め込まれています。

 ここでのお勧めはガイドツアーです。一人200円の別料金はかかりますが、詳しく親切にガイドしていただけます。30分ごとに行われていますが、道に迷ってしまったために、わずかな差で遅れてしまい、30分後まで待つことになってしまいました。


 それまでは、東繭置所の絹製品の展示と操糸工場を見て時間をつぶします。


 東繭置所の南側にある富岡シルクギャラリー

 ふるさと納税の返礼品にもなっています。

 シルク製品が展示されています。


 操糸場は高い天井が特色です。トラス構造と呼ばれる、部材を三角形なるように組んだ構造物でできており、柱がない分、構内に機械を多く設置できるようになっています。

 自動で生糸を紡ぐフランス製の機械が保存されています。

 実演を見ることができます。昔は、機械は完全自動化されておらず、人手をかけて紡いでいました。

 こんな感じで実演が見れます(実演時間は要確認)。

(出所)富岡製糸場ホームページ


 生糸の製造工程は、ホームページに動画が掲載されています。

繰糸所 新展示コンテンツ | しるくるとみおか 富岡製糸場 富岡市観光 公式ホームページ


 集合時間になったので、ガイドツアーがスタートです。

 かつて、従業員宿舎として使われていた建物が残っています。1987年まで使われていました。

 ここにも「お富ちゃん」が。当時の女工さんたちは15歳が募集年齢でしたが、北海道などからは11~12歳の少女も応募してきたようです。こうした史実を考慮して「お富ちゃん」の年齢は14歳に設定されたそうです。

 東繭置所の建築様式は木の柱に煉瓦をはめ込んだ珍しい様式でした。設計者はフランス人だったためですが、地震でも全く被害が出ずに残っていることには驚かされます。

 製糸場にまた戻ってきました。

 診療所では無料で診療・治療が行われていました。夏と冬には10日ずつの休暇が与えられるなど、手厚い待遇だったようです。「野麦峠」や「女工哀史」のために「ブラック企業」というイメージが定着してしまいましたが、これは史実に反するようです。

 民間のい払い下げられた後も、こうした手厚い福利厚生制度が続いていました。

 開業時の工場長、ポール・ブリュナが暮らしていた「首長館」(重要文化財)。ブリュナが契約満了後も、この首長館は女工さんたちの教育・研修施設として使われ、まだ幼いうちに来たため家庭で習うことのできなかった裁縫などの教養を身につけることに役立っていたとのことです。

 下水竇がこの下にあります(重要文化財)。

 蚕種製造所は碑が残っているだけです。

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