あちこち旅日記

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在日タイ人の拠り所・下館のブッダランシー寺院:日本の中の外国⑭

 これまで13回にわたって「日本の中の外国」シリーズを採り上げてきましたが、今回は続編として下館にあるタイ寺院・ブッダランシー寺院を訪問してきた報告です。


 下館駅から約2㎞くらいの結城街道沿いにこの寺院はあります。見かけはお寺というよりは、観光センターかドライブインという作りですが、日本とタイの国旗が掲揚してあり遠くからでも目立ちます。聞けば、かつてはパチンコ屋さんだったとのことです。

 近隣のタイ人の方が車でやってくるのか、大きな駐車場スペースが完備されています。

 タイ語で書かれた巨大な看板が入口にあります。

 人の気配がしませんでしたが、入り口は開いていました。

 体育館のようなスペースに、きらびやかな仏壇がありました。しばらくしたら、関係者らしい方が入ってきてタイ語で話しかけてきましたが、日本語で「見ていっていいですか」と尋ねたところ、「どうぞ」とのこと。写真を撮らせていただきました。

 仏様だけではなく、

 ワチュラロンコン国王の肖像写真も飾ってありました。さすがキングダム(王国)です。

 ここでは2人の僧がタイ人の法事や祭事を執り行っています。毎日昼前には、僧に食事を捧げる儀式があり、週末はタイ人女性たちが料理を持ち寄って僧に捧げ、食事会になるそうです。私が着いたのは午後でしたが、午前中に来た方が賑やかそうです。


 タイで家族や知り合いが亡くなったときには、タイ人はまずこのお寺に来ます。また、日本での進学や就職や結婚や、それに自分の誕生日など、人生の節目節目にお寺を訪れ、ひとときを過ごす、タイ人の拠り所になっています。


 四季折々のタイの行事のときはさらに多くのの参拝客でにぎわい、現地そのままのような屋台も立ちます。ユーチューブにはコロナ前のお祭りが投稿されていました。お祭りの時期にぜひ行ってみたいものです。


 茨城県は人口100万人あたり1566人のタイ人が居住しており(2015年国勢調査による)、日本一タイ人比率の高い都道府県になっています。1991年(平成3年)にはタイ人女性が殺害され現金約700万円の入ったバッグなどが持ち去られた強盗殺人事件(下館事件)が起こり、犯人とされたタイ人女性3名は人身売買の被害者であるとして支援のネットワークが広がり、他の同様の事件の支援活動のモデルとなったことでも有名です。



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 下館駅からの行き方ですが、初めて行く方はタクシーがお勧めですが、気候さえよければ歩いても十分行ける距離です。途中にも見どころがありますので、道順を紹介します。


 下館駅前には、筑西市役所も入る複合ビルのSPICAがあります(かつてはサティを核店舗とする商業施設でしたが、今は大半の店舗は閉店し、市役所のほかオフィスや教室が大半のようです)。これと反対方法の坂(巽坂)を進みます。

 坂の途中にアジア食材店があります。近隣には製造業が多く、タイ人のほかベトナム人も多く暮らしているようです。

 ベトナム料理のお弁当がおいしそうです。

 1884年(明治17年)に起きた自由民権運動の激化事件の一つ「加波山事件」を起こしたメンバーのうち富松正安・保多駒吉・玉水嘉一・平尾八十吉の4名が葬られている妙西寺には「加波山事件志士の墓」があり、市指定文化財になっています。

 大町三丁目の交差点を左折し、坂を下ります。

 下り坂は江戸街道(江戸坂)と呼ばれています。

 江戸時代のはじめ、常陸国下館五万石の藩主となった松平頼重(徳川家康の孫で光圀の兄)が開いたという北向地蔵尊があります。説明版には以下の記述があります。


 言い伝えによれば、江戸時代の中頃、奥州からの旅人が下館の城下に入り、江戸坂(国道旧五十号線)の西町の台地に来た時、旅の疲れが出て急に発病した。


旅人は親切な茶屋の人に介抱されたが、故郷奥州に向かい朝な夕な妻子の名を称え、手を合わせ祈りながらやがて亡くなってしまった。


 地元の人々は、あまりに哀れに思い供養のために、旅人の故郷北方に向けて一宇を建てお地蔵様を祀った。このことから「北向地蔵尊」と呼ばれている。

 真岡鉄道の踏切を渡ります。

 小さな神明宮があります。


 手焼きせんべいの体験ができる根本製菓があります。ここを過ぎて、川を渡ると神名交差点の向こうにブッダランシー寺院が見えてきます。


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