残念だった広島平和公園:広島に行ってきました⑪
広島に来たら、やはり平和記念公園に行く必要があると思い、行って来ました。この日の注目点は、海外からの観光客が原爆についてどう考えているかを見ることでした。
公園に着いたのは、朝の通勤時間帯でまだ早かったこともあり、原爆ドームの前にいた観光客はほとんどいませんでした。数名いた観光客の多くは外国人でしたが、皆さんの関心は有名な建造物とインスタ映えする写真をとることのようで、皆さんはしゃぎながら(若いカップルはいちゃつきながら)写真を撮影していました。
折り鶴のところは団体客であふれかえっていました。ここも皆さんの関心は、「アート作品」としての折り鶴のようです。まあ、皆さん「箸が転がってもおかしい」年頃の子が多いので、仕方ありません。
献花台
平和記念資料館
折角なので入場してみます。
ここは、内外観光客で賑わっていました。展示物を見た方は皆さん神妙でした。
寄せ書き用ノートがあり、興味深いので覗いてみます。核兵器の悲惨さや平和への願いを書いている方がほとんですが・・・、
なかにはこんな寄せ書きも。「日本が戦犯国であることを忘れるな」「アメリカもイスラエルもだ」。現実には、アメリカには戦争を早期に終結させ、自国兵士の犠牲を減らしたという意味で、原爆投下を正当化する方が多く、中国や韓国で、日本軍の占領から解放してくれた原爆投下を称賛する方も少なくないと聞きます。このような核兵器廃絶に向けた努力をしても、残念ながら冷ややかな目で見ている方が少なくないのが現実のようで、逆効果になっている感すらありました。核なき平和は人類普遍の願いとは受け止められておらず、「勝てば官軍、負ければ賊軍」「戦争に勝った方が正義になる」という言葉が当てはまる状況のようです。
以前、国際政治学者の猪口邦子先生(現参議院議員)の「なぜ国際政治学者を目指したのか」の手記を読んだことがあります。猪口先生はお父様のお仕事の関係で、幼少の頃を海外で過ごされたそうで、ブラジルでは日本人学校とアメリカンスクールを掛け持ちされていたそうです。アメリカンスクールでは、世界史の授業が(日本が戦犯国として言及されると思い)嫌だったそうですが、ある日しぶしぶ登校すると、先生が、当時の米国と日本のそれぞれの立場に立った国際環境の説明から入ってくださり、日本を一方的に悪いと決めつけない授業だったそうです。この先生のおかげで猪口先生は国際政治学の道に進まれたと記されていました。
国際紛争を考える時に、相互の立場と歴史的背景を学ぶことが重要であることがいうまでもありませんが、最近では中東紛争の報道やテロの報道に際して、多くの我が国メディアがジャーナリズムの基本を怠り、一方的に偏った報道をしていることは残念でなりません。ユダヤ(イスラエル)、イスラム教徒ともに、偏見があふれているのも、「異質なもの」と決めてかかり、理解しようとしない日本人の悪い癖が垣間見れます。
平和記念公園にはこのほかG7サミット記念館、被爆遺構展示館があります。
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