これまで何回かに分けて、川越街道の宿場巡りの旅を投稿してきました。今回は、総集編ということで、これまでの旅の記録をまとめたいと思います。

　川越街道は江戸日本橋より中山道を進み、江戸四宿の1つ板橋宿の平尾追分で分岐して川越城下に至る街道です。伊能忠敬「大日本沿海輿地全図」では実測、10里34町33間半（約43km）とされています。

　中山道から分岐するのは、現在の板橋区平尾交番あたりです。

　終点は川越城大手門で、現在の川越市役所前に当たります。川越市役所前には太田道灌の像が立っています。

　川越街道の起源ははっきりとしませんが、1457年（長禄元年）に上杉持朝が家臣太田道真・道灌父子に命じて川越城と江戸城を築城させた際に、この間を結ぶための街道を整備させたとする説が有力です。1600年（慶長5年）から1603年（同8年）にかけて江戸幕府が五街道の整備を行った際に、川越街道は中山道の脇往還として整備されたといわれています。

　江戸時代、川越は江戸の北西を守る要であり、藩主には、老中格の譜代大名が配置さていました。特に、老中松平伊豆守信綱が川越城主でわった時代に整備が進みました。街道には、上板橋、下練馬、白子、膝折、大和田、大井の6つの宿場がありました。

　川越街道は後の1941年（昭和16年）に拡幅され、商店街などで拡幅が難しい区間にはほぼ平行して川越街道新道（国道254号）が建設されました。現在ではこの新道のうち東京都豊島区の池袋六ツ又交差点から埼玉県川越市の新宿(あらじゅく)町交差点までが通称「川越街道（新道）」となっています。

　それぞれの宿場については以下のリンクで記事をご参照ください。
　
川越街道の宿場町①板橋宿前編：中山道からの分岐点、川越街道の起点だった平尾追分 - あちこち旅日記

川越街道の宿場町①板橋宿後編：飯盛女が盛り上げていた仲宿 - あちこち旅日記

川越街道の宿場町②上板橋：昭和初期の説教強盗で有名になった宿場町 - あちこち旅日記

川越街道の宿場町③下練馬：江戸時代にはこの地域では富士講が盛んだった - あちこち旅日記

川越街道の宿場町④白子宿：古い家屋が保存され宿場町の雰囲気が残る - あちこち旅日記

川越街道の宿場町⑤膝折宿：室町時代の名馬・鬼鹿毛伝説に由来する宿場町 - あちこち旅日記

川越街道の宿場町⑥大和田宿：ここにも鬼鹿毛伝説が残る - あちこち旅日記

川越街道の宿場町⑦大井宿：明治時代の大火から復興したモダンな町 - あちこち旅日記

川越街道の宿場町⑧川越宿：太田道灌の像がお出迎え - あちこち旅日記

　また、川越は市内に見どころがたくさんあります。市内観光には東武バスのフリーチケット（大人400円、子供200円）が便利です。このチケットで、
　・小江戸名所めぐりバス（全区間）
　・東武バスウエスト一般路線バス（指定区間）
が利用できます。
　チケットは、　チケットは以下の場所で購入できます。
・川越駅観光案内所（東武東上線改札前）

・東武川越駅定期券発売所（EQUiAエキア川越改札階、東武トップツアーズ川越駅支店内）
・川越東武ホテル（川越駅西口徒歩２分、ペデストリアンデッキ直結）
・東武バスウエスト川越営業事務所（「神明町車庫」バス停下車）

　市内観光の様子は、３回に分けて報告しています。

小江戸川越城下巡り（上）：小江戸名所めぐりバスで喜多院を訪問 - あちこち旅日記

小江戸川越城下巡り（中）：童謡「とおりゃんせ」の発祥地を訪ねる - あちこち旅日記

小江戸川越城下巡り（下）：蔵の街は外国人観光客も増えごった返していました - あちこち旅日記

　また、宿場から外れてしまう「ハッピーロード大山」（上板橋宿と下練馬宿の間）、平林寺（膝折宿と大和田宿の宿駅だった野火止近く）を別途番外編として紹介しています。

都内最大級の商店街ハッピーロード大山：川越街道の旅番外編 - あちこち旅日記

圧巻の「知恵伊豆」の菩提寺・平林寺：川越街道の旅番外編（続編） - あちこち旅日記

　川越街道は、江戸時代の街道の中でも距離が短く、川越藩主の行列も途中の宿場に宿泊することが稀だったようです。健脚な方は徒歩でチャレンジするもよし、自信のない方は私のようにズルして公共交通機関や自家用車を使うのもありだと思います。各自治体のご努力で、宿場の文化財もよく保存されています。気候のよいうちに是非お勧めします。

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