デパート屋上の庭園を巡る②:日本橋三越
デパート屋上の庭園シリーズの第2弾は、日本橋三越です。
日本橋三越は三越の本店・旗艦店で“日本最古のデパートです。その本館は国指定重要文化財となっており、屋上には池泉回遊式庭園「日本橋庭園」があります。
三越の起源は、江戸時代初期に江戸・日本橋で創業した「越後屋」三井呉服店です。三井家は近代には三井銀行の設立をはじめ多業種を展開し、三井財閥の礎を築く一方で、呉服店部門が分離・独立して誕生したのが「三越」です。1904年(明治37年)に日本で最初の百貨店が誕生しました。
国の重要文化財となっている本館は1935年(昭和10年)の竣工しています、江戸時代に越後屋三井呉服店のあった場所に建ち、1935年(昭和10年)に竣工しています。
店頭にあるライオン像は三越のシンボルとして有名です。ライオンの像が設置されたのは、1914年(大正3年)の日本橋三越本店開業時であり、発案者は三越創業時の支配人の日比翁助とされています。旧来の呉服商から百貨店への転換に向けて欧米を視察した際にイギリスで発注したそうです。ロンドンのトラファルガー広場のネルソン記念塔の下にある4頭の獅子像がモデルとされています。
ライオン像には、受験生の間で「誰にも見られずに背にまたがると願いがかなう」という必勝祈願の言い伝えがあります。しかし、誰かに見られると不合格になるとも言われており、入試前夜に集団で来た受験生が、後ろを向いたまま交代でまたがっていたとの都市伝説があるそうです。
三越の「屋上庭園」の歴史は日本橋本店の歴史よりも古く、1907年(明治40年)に建設された仮営業所に作られています。本館に移築された後、リニューアルを繰り返し、現在の庭園は2019年にリニューアルされたものです。
屋上は9階になります。エレベーターを降りるとすぐに庭園です。
配置図が貼ってあります。
集いの広場では、カフェテリアで注文したものを楽しめます。
10月末まではTokyo Sandwich Clubが営業しています。
本日まで日本橋ジャパニーズクラフトビィルまつりが開催中です。
鎮守の社広場には、「三囲神社(みめぐりじんじゃ)」の分社があります。
三囲神社は東京都墨田区向島に在る神社ですが、三井家が江戸に進出すると、享保年間に三囲神社を江戸における守護社と定め、越後屋の本支店に分霊を奉祀してきました。三井家では、三囲神社のある向島が、三井の本拠である江戸本町から見て東北の方角にあり、鬼門だったことと、三囲神社の“囲”の文字に三井の「井」が入っているため、「三井を守る」と考えられたためとされます。現在でも三井グループ各社の総務部によって三囲会が組織されており、年に4回代表が一堂に会し祭典を催しており、閉店した池袋三越前にあったライオン像も三囲神社に寄贈されています。
なお、社務所は銀座店(9階屋上)におかれており、日中のみの対応ですがおみくじも引けます。
動画もご参考にしてください。
日本橋三越 屋上『日本橋庭園』
隣には「漱石の越後屋」の碑が建っています。夏目漱石と中央区のかかわりが深く、また、漱石が早稲田大学で講義を行っていた、ということから、早稲田大学125周年記念事業の一環として2006年(平成18年)に漱石お気に入りの三越に記念碑が建立されました。 なお、石碑の刻銘は早稲田大学第14代総長・奥島孝康氏によるものです。
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