ベトナム料理を期待して行った「いちょう団地」だが・・:日本の中の外国㉓
久しぶりの「日本の中の外国」は、神奈川県横浜市泉区と大和市にまたがる「県営いちょう団地」の訪問記です。
最寄り駅は小田急江ノ島線の高座渋谷駅です。
駅前には、アジア食材店があり、アジア系住民の多さが感じられます。
駅からは「いちょう団地」行きのバスが毎時1〜2本出ています。5分とかかりません。
「いちょう団地」は3600戸(入居戸数は約3400戸)からなる大型団地で、横浜市側に48棟、大和市側に31棟が建てられています。団地内には中層から高層の居住棟が多くあり圧倒されます。
付近にはこのような豪農の旧家も残っています。
正確な数字はわかりませんが、現在では20か国以上の国籍の外国人が居住し、住民のほぼ4分の1が外国人の模様です。県内に一定期間居住していれば入居でき、所得制限もあるため、日本人でも民間賃貸住宅に入居を断られがちな高齢者が多い模様です。このため、こどもたちは外国籍者が多く、団地内の小学校では児童数の半分以上が外国籍であると報じられています。
特に、大和市にインドシナ難民受け入れのための「大和定住促進センター」があったことからベトナム人が多く、「日本のベトナムタウン」と呼ばれることもあるようです。
自治会が作成する注意書きも、複数言語になっています。
それでも、ゴミ出しなどの日本でのルールを知らない外国人が多く、自治会も苦労しているようです。
以前、埼玉県川口市の芝園団地を報告しましたが、芝園団地では住民の多くを占める中国人がうまく統率され協力的だったのとは対照的です。芝園団地が(家賃が安くない)UR運営なのに対し、いちょう団地が所得制限のある県営団地であることも影響しているのかもしれません。
訪問したには日曜日の午後でしたが、これだけの規模の団地でありながら住民をほとんど見かけませんした。「外国人が多い」というよりも「日本人が減り住民の高齢化が進んでいる」との印象を受けました。
集会所兼ショッピングアーケードも閑散としています。
数少ない開いていたアジア食材店
スーパーはかなり前に閉店していました。
団地の近くにある人気の大手スーパーに行っているのかもしれません。
肝心のベトナム料理のお店も
閉まっているお店がおおかったです。日曜日午後なので営業外だったところもありますが、閉鎖してしまったところもあり、期待していた「ベトナムタウン」の雰囲気を感じることはできませんした。
将来の日本を予見しているような寂しさを感じる訪問でした。
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