中野駅から北に向かう商店街「サンモール」を抜けると突き当たりに、早稲田通りに通じる複合ビル「中野ブロードウェイ」があります。

　こちらは早稲田通りからの入口です。

　サンモールは、地元の方でにぎわう商店街になっています。

　ガチャ専門店もあります。

　「中野ブロードウェイ」は1966年にオープンし、高層部はマンションになっています。かつてはジュリーこと沢田研二さんや、同じくザ・タイガースのメンバーだった岸部一徳さん、元東京都知事でタレントだった青島幸雄さんが住んでいたことで知られています。

   近年、中野では急速に再開発が進んでいます。江戸時代に野犬保護施設である「お囲い犬屋敷」があった地は戦前に陸軍中野学校、戦後は警察学校がありましたが、2000年代に入りオフィスビル（中野セントラルパーク）や大学施設（早稲田大、明治大、帝京平成大）、防災公園、病院などが建ち並ぶ「中野四季の都市」に再開発されてきました。

「お囲い犬屋敷」の記念碑や「お犬様」たちの銅像もあります。

　中野セントラルパークにはキリンホールディングスの本社が入っています。

　駅の南側も、再開発が進んでいます。

　さらに、コンサート会場として使われることも多い中野サンプラザも2028年度の完成予定で、7000人収容できるイベントホール、商業施設、オフィス、ホテルなどを備える複合ビルへの再開発が予定されています。既に、今年７月の閉館が決まっています。

　中野サンプラザは、現在でもまだまだ人気の施設で、コンサートなどのイベントが行われています。

　内部には入れなかったので、mozumozuさんのブログ記事をお読みください。

　中野ブロードウエイもかなり老朽化が進んでいます。いつか見納めになってしまうと思い、およそ20年ぶりに散策してきました。

　中野ブローウエイといえば、このビルを復活させた功労者は「まんんだらけ」でしょう。漫画の古本だけでなく、人気アニメのフィギュアなどの専門店を多数出店しています。これを目当てに多くのコレクターが全国から集まります。

　買い取りコーナーもすごい行列です。

　地下1階部分は西友が入っています。地下2階もあるらしいという都市伝説があるそうです。

　他にも、コレクターご用達のお店がいろいろ入っています。

　ここには、国内だけでなく海外からもコレクターが集まります。外国語を話す親子連れがたくさんいました。外貨両替店まで出ています。レートも駅ナカの外貨ショップよりもはるかによかったです。

　建設当時は、東京五輪直後の不況や金融危機で住宅販売やテナントの勧誘が思うようにいかず、現在では権利関係が複雑になっているようです。当時開発に当たったデベロッパーの東京コープも既に解散してしまっています。再開発は容易ではないと思いますが、老朽化が進み「日本の九龍城塞」との陰口が聞かれるようになってきています（実際にはそこまでひどい状況ではありませんが）。危険な状況になれば、行政も放置しておくことはできなくなるでしょう。

　ちなみに、九龍城塞とはかつて香港にあった東洋のカスバと呼ばれた伝説の建物です。清朝時代に建てられ、英国植民地時代の出先機関になっていました。日本軍が占領した期間には、果敢にも取り壊しに着手し、啓徳空港の建設資材に使われたこともありましたが、終戦後は中国政府が再び主権を主張したため治外法権の地となり、治安が悪化していきました。最盛期の1970年代には犯罪が蔓延る地だったようです。動画のリンクをつけておきます。

Kowloon walled city 九龍城砦

　九龍城塞は人気ドラマの「Gメン75」の香港カラテシリーズにもたびたび登場し、部外者が一度入ったら命の保証はない場所のように描かれていました（こどもの時にこんな番組見ていたので、香港勤務の辞令が出た時は恐怖におびえていました）。九龍城塞は1984年に香港の中国への返還が決まって以降徐々に取り壊しが進み、現在では跡地は公園になっています。

　Gメン75で筋肉隆々の香港マフィアの用心棒を演じたのは、当時ボディービルの香港チャンピオンだったヤン・スエ（揚斯）で、倉田保昭との決闘シーンはシリーズ名物でした。とてもかないそうにないように強く見せておいて、最後は油断してGメンにKOされるパターンでした。Gメンの活躍で何度もマフィアの組織がつぶされてしまいますが、それでも、次回シリーズでまた登場するなど、売れっ子悪役でした（倉田保昭と仲が良かっただけでなく、ロケの時にエキストラの手配をしてくれるなど、日本のテレビ局からも頼りにされていたそうです）。現在、76歳とのことですが、ご健在のようです。

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