相模国総社の六所宮(神奈川県大磯町)
以前、武蔵国総社の大国魂(おおくにたま)神社と、武蔵国一の宮を名乗る3つの神社(氷川神社、氷川女體神社、小野神社)の訪問記を投稿しました。
酉の市でごった返していた府中市の大國魂神社 - あちこち旅日記
氷川女體神社(さいたま市緑区):武蔵国一の宮論争② - あちこち旅日記
小野神社(東京都多摩市):武蔵国一の宮論争③(最終回) - あちこち旅日記
こうした総社は、全国の令制国にそれぞれ存在し、国司が赴任する際に通常は一の宮から順に参拝したのを簡略化し、一度に参拝できるようにした存在でした。一部の地域では、記録が消滅してしまい、総社がどこかわからなくなってしまっているところもあるようですが、相模国(現在の神奈川県西部)では総社が残っています。神奈川県中郡大磯町国府本郷にある六所神社がこれに相当します。以後、相模国六社巡りをしていこうと思っています。順不同で都度報告していきます。
六所神社の創建は2100年ほど前の崇神天皇の時代に遡ります。崇神天皇甲申の歳(紀元前97)、出雲地方より移住した氏族がこの地域を「柳田郷」と名付け、彼らの祖神である櫛稲田姫命、素盞嗚尊、大己貴尊(大国主命)を守護神として、現在の地よりも北西1㎞の神台(伊勢神台)に社殿を築き「柳田大神」と称しました。
大化の改新後、国の行政も次第に整い、国司の制度が始められてゆく中、元正天皇の718年(養老2年)に相模国総社と定められました。場所も石神台より現在地へ遷座され、「六所宮」となりました。
ちなみに、六所神社の社格は郷社であり、以下の5つの神社を合祀しています。
一宮:寒川神社
二宮:川勾神社
三宮:比々多神社
四宮:前鳥神社
平塚八幡宮(五宮格)
国道一号線(旧東海道)に大鳥居があります。
御神木の大ケヤキ。樹齢600年と伝わる大木です。
参道
千両の池と六所ひぐるま弁天社
万両の池と六所龍神大神社
両方の池には立派な錦鯉が泳いでいました。
御本殿
大神輿殿
水神社
六所稲荷大明神
小田原北条氏により16世紀頃に築かれた石垣。自然石をそのまま積み上げ築造する野面積み(のづらづみ)と呼ばれる工法が用いらています。排水性に優れ非常に強固であり、鎌倉時代に始まり戦国時代に最も盛んに築造され、幾度の天災にも揺るぐことなく四百年以上にわたり本殿を支えています。
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