情けないことにツーリストポリスのお世話になる:しくじり先生の海外旅行(第8話)
香港に駐在していた時、よくタイのバンコクに出張に行く機会がありました。最初のころは何事も恐る恐るという状況でしたが、慣れてくると多少無茶なことをするようになります。
例えば、顧客回りの車です。いつもはホテルの車をチャーターするのですが、たまたまある日、ホテルカーの空きがなく、ホテルのドアマンにタクシーを拾ってもらいました。この日は近くの場所への単純往復で待機してもらう必要もありません。今までローカルタクシーを使って問題が起きたこともなく、運賃交渉もホテルの方にお願いできるので(当時はメーターがついていませんでした)、多少おんぼろなのを我慢すれば大丈夫だろうということで気にかけず使うことにしました。
目的地はホテルから数分程度のところで、すぐにつきました。しかし、料金を支払って下車したところで、財布がなくなっていることに気がつきました。料金を支払った際にはあったはずなので、どうやらポケットにしまう際に、タクシーの中に落としてしまい、気がつかないまま下車してしまったようです。
そこからホテルまでは歩いても20分程度だったので、用件が終わってからホテルまでは歩いて戻りました。午後はホテルの車をチャーターできたので、とりあえず料金は部屋付けにしてもらい、翌日合流する予定だった上司にお金を借りて宿泊代等は支払い、何とか無事香港に帰ることができました。
クレジットカード会社には、電話で連絡して対応していただいきましたが、一部のカード会社からは、警察の遺失証明が必要とのことでツーリストポリスに出向くことになりました。
タイのツーリストポリスとは、国家警察中央捜査本部の一部局ですが、観光・スポーツ省の監督下にある警察組織で、全国に警察署を配備され、観光客の相談・事件に対応しています。また、私のような間抜けな外国人観光客の対応にも当たってくださっています。以前、地元企業主催の港湾見学会に招待された際に、ツーリストポリスの先導車付きで回ったことがあり、その存在は認識していました。
まず着くと、英語のできる方から事情聴取を受けます。すると、状況を英語で一枚ものにしてまとめてくれと言われます。それを提出すると翻訳官の方が翻訳し、それに上席の責任者が承認印を押して終わるというシステマティックなものです(翻訳が正確かどうか確認のしようがありませんが)。そもそもタイ語の証明書を送って、日本のカード会社の方も意味がわかるのか疑問ですが.......。
とにかく、報告書を書いて、翻訳・承認を待つしかありません。1時間くらいで発行してもらえましたが、周りを見渡すと、いかにも間抜けな顔をした西洋人がぐちっています。その横で暇そうにしていた若い婦警さんがウインクしてきます。こんな場所にいた自分が情けなくなってしまった事件でした。
(しくじり先生のレッスン)
・財布・クレジットカードは分散させておく。
・タクシーを降りる際は、もう一度シートを見渡し、何か落としていないか確認する。
・連絡先の入った領収書をもらう(この時は領収書はもらえましたが、連絡先は入っていませんでした)。
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